2月16日
一茶江戸の女C
夜伽してくれたる雁も帰りけり 七番日記化十四
俺と寐てくれた私娼、国に帰るかね。
帰りたく雁は思ふやおもはずや 七番日記政一
江戸の水呑み、郷の暮らし想う、迷っているのか
わが村はいく日に通る帰る雁 七番日記政一
柏原はいつ通のかな、俺の生家眺めて通れや
なくな雁いつも別は別な事 八番日記
金で寐た男にも未練が湧くか、いつかは別れが来る定め
なくな雁とても一度は別れねば
情が移ったかな、馴染みになって
夜伽して鳴たる雁よなぜ帰る 文政句帖
嬉し泣きしてくれた雁よ。あれほどの馴染みになったのになぜ国に帰る
それがしも連にせよやかえる雁 七番日記化一〇
俺を道連れにして帰らないか、村には亭主も子供いるのかね。
どこえとも我をつれてよ帰る雁 七番日記化一二
お前が帰ると寂しい、どこでもよいから俺もつれてけや、別れは辛い
一茶全集一巻の春の部から、拾いました、出稼ぎに来た私娼、農繁期になると
村江帰ります、一茶と情を結ぶ出稼ぎの女との別離詠む一茶。
男としての裸の姿露呈して句を詠み哀感籠もります。これからも紹介して参ります。
一茶の紹介に何故か外れる人間一茶。の生の姿。亭主子供置いて江戸に娼婦として
出稼ぎに来る農村の貧困が伝わります。雌らしい江戸の私娼の生態。史料としても
貴重な句です。