古俳・古川研究室

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和泉式部  恋の部より [666]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2009年05月11日(月) 09時03分40秒 ]

黒君の乱れも知らずうち臥せばまずかきやりし人ぞ恋しき


わが袖は水の下なる医師なれや人に知られで乾く間もなし


世の中に恋といふ色はなかれども深く身にしむ物にぞありける


悲しきはおなじ身ながらはるかにも佛によるの声を聞くかな


枕だに知らねば言はじ見しままに君に語るな春の夜の夢


忘らるる憂き身一ツにあらずともにべての人にいわぬことごと

              和泉式部

いつよんでも好きな和歌です。

一茶の江戸の出稼ぎ女 [665]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2009年02月16日(月) 12時14分22秒 ]

2月16日
一茶江戸の女C
夜伽してくれたる雁も帰りけり 七番日記化十四

   俺と寐てくれた私娼、国に帰るかね。

帰りたく雁は思ふやおもはずや  七番日記政一

   江戸の水呑み、郷の暮らし想う、迷っているのか

わが村はいく日に通る帰る雁   七番日記政一

   柏原はいつ通のかな、俺の生家眺めて通れや

なくな雁いつも別は別な事     八番日記

   金で寐た男にも未練が湧くか、いつかは別れが来る定め

なくな雁とても一度は別れねば

   情が移ったかな、馴染みになって

夜伽して鳴たる雁よなぜ帰る    文政句帖

   嬉し泣きしてくれた雁よ。あれほどの馴染みになったのになぜ国に帰る

それがしも連にせよやかえる雁 七番日記化一〇

   俺を道連れにして帰らないか、村には亭主も子供いるのかね。

どこえとも我をつれてよ帰る雁 七番日記化一二

   お前が帰ると寂しい、どこでもよいから俺もつれてけや、別れは辛い

一茶全集一巻の春の部から、拾いました、出稼ぎに来た私娼、農繁期になると
村江帰ります、一茶と情を結ぶ出稼ぎの女との別離詠む一茶。
男としての裸の姿露呈して句を詠み哀感籠もります。これからも紹介して参ります。
一茶の紹介に何故か外れる人間一茶。の生の姿。亭主子供置いて江戸に娼婦として
出稼ぎに来る農村の貧困が伝わります。雌らしい江戸の私娼の生態。史料としても
貴重な句です。

一茶の反体制の句 [664]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2009年01月07日(水) 00時35分13秒 ]

世の中をゆり直すらん日の初    文政句帖 政七

勤王の志の深さ教える句ですね。反権力思想の一茶の思い伝わります。

その思想が底流にあるから詠む生活句なのかな。

体制にたいする不満を句にしてぶつけていたのかな。

詩経学んで成長し友耕瞬の影響思います。

自民党政治も変革と云われる時代の年に当たり一茶の詠んだ

新年の句です。文化文政は江戸の最高の爛熟期。

そんな年に詠んだ一茶の変革の願い籠めた句。

一茶江戸の女 [663]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2009年01月03日(土) 14時13分57秒 ]

行灯で飯喰ふ人や帰る雁   享和句帖享三

   行灯のの灯が点くと、元気になり稼ぎ始める夜の女。
   農閑期には出稼ぎに江戸に来て稼ぐ農婦の姿読む一茶。

帰る雁北陸道へ帰る雁    享和   享三

   北国に帰る女、寒い雪国から来た女。

行く雁や更級覧度き望みさへ 享和    享三

   私娼で不治の病になる女、古郷みたいと望み帰るあの身体で。
   悲惨な苛酷な病になった女。
   一茶の住む街は私娼達の街でもあった。支配頭が吉田町だった。
   私娼を支配し管理していた。
   江戸は城を堺にして、吉田町配下と鮫が橋配下と二分されていた。
   吉田町配下は手拭いを被り口に咥える掟だつた。

門の雁立つ日になりぬ日となりぬ 文化句帖 化一

   農閑期に稼ぎに来る農婦が私娼として稼いでいた。
   一茶の家に出入りしていた私娼。帰る日が来た。
田の雁の帰るつもりか帰らぬか  文化 化一

   百姓しに帰るのか、江戸の水覚えて帰る気にならないか

人よりも朝きげんなり帰る雁    文化 化一

   子供のいる古郷に稼いだ鐘もち帰ろう。借金返して家族で
   仲良く百姓しよう、こんな地獄みたいな江戸の町はさらばだ。
   喜び溢れる女

行くな雁廿日もいれば是古郷     文化   化一

    帰るなよ、廿日も俺と過ごしたんだろ。此所が古郷にはならないか

我恋はさらしな山ぞかへる雁     文化   化一

     信濃の山はそんなにいいか、、俺の惚れた女だけど

行く雁がつくつく覧るや煤畳     文化   化四
雁にさへ取り残されし栖哉

     つくづく眺めて行く貧乏長屋。

便りない我家を捨てて帰雁       文化   化五

      俳諧師として江戸だけでは稼げず旅稼ぎしている
      俺の暮らし、いつ帰るか解らぬ一茶、魅力がないか
      男としては駄目か。

有明や念仏好きの雁も行         七番日記化七

       朝早く念仏宗の女が出て行く、俺の家で一夜明かして。

帰雁我をかひなき物とやは         七番 化七
念仏をさづけてやらん帰る雁        七番 化七

       念仏唱えろ、救われぞ阿弥陀様に

卅日なき里があるやら帰雁          七番 化七

       借金取りに追い立てられているのでないのか
       卅にならずに帰れるのか、稼いだね。

雁に見立てて読む、出稼ぎに来た私娼の街生態。
借金で首が回らず子供を置いて、江戸での現金稼ぎ
返す目途が立つと故郷え帰る女達。貴重な現金稼げる江戸
美貌に自信有れば、勝負できた私娼の世界。
百文稼ぎできた。一夜で何人も客がつけば、農村では想像
つかぬ稼ぎになった。江戸の私娼。
いまも昔も変わらぬ底辺の人達の暮らし。
男も出稼ぎで江戸に流れて来た。借金返す為に。そんな男達が
一夜の無聊に買う女。買われる女も出稼ぎに来ている女達。
漫画にもならない悲しい喜劇。江戸の貧困。       

枯れ木 [662]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2008年12月24日(水) 07時16分17秒 ]

老いの身降りかかりたる落ち葉哉


命散る己の命思う哉


散り積もる落ち葉踏みしめ身が痛む


寂しきや己が命や散る思い


一面や黄の色なりし銀杏哉


風もなく静かに舞いし落ち葉哉


つわものの目に鮮やかに落ち葉哉


一茶と江戸女H [661]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2008年11月28日(金) 13時07分49秒 ]

我友の後家鶯ようぐいすよ    七番化一一

     一茶の親しい後家、鳴き声の可愛い後家鶯

鶯や花なき家も捨ずして    七番化一二

     花無き俺のような家の所にも来てくれるかよ可愛い後家鶯
鶯や今に直らぬ木曽訛

     冬稼ぎに江戸に来る女よ古郷の訛りはとれないな、お信濃訛
鶯やこまり入りやのはか原に   七番化一二

     それは困り入谷の鬼子母神。江戸言葉にかけて読んだ句、墓原
     護国寺ゅうへんの私娼の地、墓の多い原
黄鶏や先立ものは人の皺     春風帖化中

     年老いた娼婦、若作りしても皺には勝てない。
鶯よ今朝は弥太郎事一茶     七番政一
     さくやから世話になったな弥太郎事一茶有り難うよ
月ちらり鶯ちらり夜は明けぬ    七番政一
     一夜過ごしてくれたか可愛い女
鶯や男法度の奧の院        八番政二
     お城には男は禁止の女達が三千人もいるとか羨ましいの
鶯も人ずれしてなく上野かな    八番政四
     上野の山は男娼と私娼の巣だった。女は山下ー今の上野駅辺
     男娼は湯島天神下が巣だった。
鶯やみぬふりすればあちら向く  文政句帖政七
     私娼は見ぬふりすれば顔背ける見ると愛想笑いして誘う
鶯の鳴だけかりし明地かな    文政句帖政七
     茣蓙を持ち客取る私娼、野原借りて稼いでる
いかな日も鶯一人我ひとり哉。
     どんな方でも解る鶯の一人称女と二人になる一茶。

一茶をめぐる私娼や後家を読む句です、江戸の一人者の世界解ります。

江戸座点取句、京都 [660]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2008年11月04日(火) 22時39分36秒 ]

江戸座点取句  元禄三年  享保十三年 吉宗の時代 万石燕


吸わせ握らせ野渡に人なし    竿秋

    野辺の渡し場、人が来ない。吸わせ 握らせ  痴態みせる二人。


新参に責らせて見る女郎花     蝶我

   郭勤めの新参の若い衆。根性見るために。女郎を折檻すさせて見る。
   責め具合みて根性をみる郭の世界。

御寝顔に惚たとは発明       雪点

   顔の褒めるのに具合の悪い女顔。苦し紛れに出た言葉
   本人も知らぬ寝顔。に惚れたと持ち上げる。賢さ。

京都発刊の俳諧集です。高い点取った句。京都人の句の世界解ります。
芭蕉派とも違う句の世界の存在解ります。

一茶の江戸の町々B [659]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2008年11月01日(土) 17時15分56秒 ]

鶯ぞいまに直らぬ木曽訛り      七番文化一三年一月
       江戸になしぜまず木曽訛りの取れぬ女
目Kにはこちへ〜と小たふ哉         ゛
       不動尊近くなると茶屋が並び客を呼んでいる。目Kは江戸府外
       私娼取り締まりも管轄外で女は盛んに客引きしてた。
どこでどう正月をした帰雁           ゛
       出稼ぎに来た女よ、どこで正月むかえたか
帰雁花のお江戸をいく度みた         ゛
       女よ帰るのか、今年で何度目の江戸の地踏んだ
鶯がちょいと隣の序哉             ゛
       馴染みの女が、隣に来たついでと顔出して
鶯の朝飯だけを鳴にけり        二月  
       朝飯だけ食べて帰るのか 
鶯やたまたま来たにばくち客        ゛
      長屋に顔出したが、ばくち遣る客がきている。
わが門やおそけふるって帰雁       ゛
      門まで来て、怖くて帰る女
世にうらば蝶も朝から稼ぐぞよ        ゛
     朝から客取る女もいる。出稼ぎで、一夜妻になり稼ぐ女達

元禄三年俳諧句 [658]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2008年10月31日(金) 13時15分11秒 ]

二葉之松   元禄三年刊行 江戸座点取俳諧


子の重荷みな片付し身の老人  山鳥

 子は皆育った、いまは何も心配のない老人になった。

古戦場華に夕の骨を踏      誘子

この地は昔の古戦場、死屍累々たる戦場の地、いまは桜が咲き穏やかな地花見している人の足下。昔は屍体が重なっていたと思うと、平和な今が一番。

忍ぶ妻主に召るヽ威に負て   倭角

戦場で戦い異国の地にいた時、妻は主に召されて愛玩された。
主の威勢想い泪溢れる。豊臣秀吉は出兵している時に、部下の大名の妻を呼んで愛玩していた。
それを拒み細川夫人は自害して拒んだ。


一茶享和句帖 夜這 [657]
投稿者:[ 雀子 ]  投稿日:[ 2008年10月17日(金) 07時47分48秒 ]

10月15日
一茶文政句帖八年五月夜這に逢う一茶
文政七年閏の八月一茶は中風が再発し苦しみます。妻雪と離婚したばかりです。
九年五月のの日記に、注目できる句書き記します。五月四日より九日は田は一斉に休みます。
夜夜中ねみヽに水の時鳥>
田休みでのんびりとする村人。その隙狙い、一茶坊の所に現れたと思われる時鳥ーホトトギス。
冒頭に書き記す一茶の文政日句帖、自筆の句帖に書き記します。
中風で苦しむ一茶にも驚きの出来事です。
猪牙舟もつい〜 〜ぞ時鳥
角田川行く、深川通いの粋な舟、の如く、ついついついと軽快にホトトギス。女でが来た。
夜這いは普通昼間約束して来るものです。この場合は夜になり、気軽に尋ねて来たのですね。
夜よなかあだやかましい水鶏哉
色気のある賑やかな女が、夜夜中の訪問です。中風で不自由な一茶の世話します。
仇喧しいと詠んでいます。江戸言葉で仇な女と来れば、色気の事です。
一茶坊、房事もせまられ交接したと思われます。歓喜する一茶です。
石になる覚悟は見へぬわか葉哉
朴念仁のおんなではない。色気のある女。雪の石の如き固まって女と違うと詠みます。
中風の一茶を男としても悦ばしてくれたと句にします。
殊勝さよ貧乏垣の初わか葉
このわか葉は貧乏な女なのだ、哀れさえ催す女。やお31歳一の若葉一茶六二歳です。
待って居る妻子もないか通し鴨  暮らすには一人が一人が増しか通し鴨
妻子のない一人暮らし身は中風。一人身かいいか揺れ動く一茶坊。夜這来る
若葉が恋しくなります。
隠れ迯などはせぬ也通し鴨。あれから弟子の所に世話になり所在転々とします。
逃げているのでないよ。と語る一茶。揺れ動いています。
やおは柏原の宿の使用人、男の子連れた女です。宿の物置に暮らしていました。
越後頸城群二股村出身、庄屋の息子となれ合い子供産むが男に捨てられ柏原に来た女です。
貧乏垣の女、土地の中流の俳諧師中風の一茶に関心もち、夜這いの行為に及んだと理解出来ます。
弟子の所に籠で俳諧指導に行く一茶。逃げるのかと迫ったのでしょう。
そんな粋な話が読み取れます。小身とはいえ武士の娘が娶に来た一茶です。老人で中風でも男としては
資産のある
魅力のある一茶です。覚悟の夜這。一茶の句は己の感情率直に句にします。
婚姻は翌九年八月です。俳名は高く「諸国徘徊士番付」には西方諸国の二番に記されます。
諸国に知名な俳諧士。揮毫も百文の値張ります。浪人から揮毫迫られる知名な存在です。
しばらく文政句帖追います。気儘な記載ご寛容下さい。




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